「あわび剥き身」

製造販売を開始して以来ロングランを継続している「まぐろまん」ですが、この好調ぶりはお盆需要も含めて維持されている感じがします。そんな中で新たな商品の一つとして「あわび剥き身」が脚光を浴び始めています。先日も通販会社に紹介したところ「非常に面白い、我が社のお客様は貝好きなので受け入れて貰えるかもしれません」とのコメントを頂き、見積書・規格書を提出する運びとなりました。更に大口の問い合わせなどもあって次のヒット商品の兆しが見えます。高級食材として有名なあわびはそのほとんどを韓国から輸入していますが、年間で言うと1000トン程にもなります。韓国南部の島「莞島(ワンド)」というところで養殖されていて、そのほとんどは生きた状態(活物)として釜山から下関に入荷して来ます。殻付きというのが定番ですが、今回我が社で扱うのは「剥き身」です。殻を外し肝を取り除いた完全な実だけの商品でIQF(Individual Quick Frozen=個別急速凍結)という瞬間凍結の商品になります。手軽で生食可能な商品なので幅広い層を狙って拡販したいと考えています。


ある社長の話

まぐろまんで営業しているといろんな人との出会いがあって実に面白いです。優れた商品(まぐろまん)を持っているので自信を持って営業で回るのですが、その商品にも勝るとも劣らない人物に出会えると本当に嬉しくなります。今回の社長からいきなり「保証人を外れることが決まったのよ」と切り出され最初は何のことかよく呑み込めなかったのですが、どうやら業績が今までで最高のようで銀行が「社長の保証は今後一切要りません」と太鼓判を押したというのです。社員にボーナス還元をするのに数千万円準備するそうで「大変ですね」というと「今まで大変だなんて思ったことは一度もないよ」とまた返されてしまいました。「社長は売上から経費から経営から人事から、何か何までやらないといけないからご苦労が多いんじゃないですか」というと「自分の人生は小中学校で8回転校した、だけどもいつも好転してきた。だから苦しいこともなければ肩こりもない」と笑いながら話してくれました。とにかく前向きな社長の姿を拝見して新しい希望と勇気が湧いてきました。


お盆需要

大阪では4年ぶりに天神祭りが開催されるとニュースに出ていましたが、まぐろまんではお盆需要と思えるような注文が徐々に入り始めています。中部圏の山間部にある「とある道の駅」ではコロナ禍でも定期的にまぐろまんを使い続けて頂いて来ました。それでも月間30㎏~40㎏程度をコンスタントに出荷してきたのですが、今日は8月4日着で10kg、8月9日着で200㎏、8月18日着で100㎏という今までにない注文を頂きました。帳合問屋の担当者に即電話を入れてみたのですが、時間外だったようで留守電になっていました。明日早速理由を聞いてみようと思います。おそらくお盆需要ではないかと思いますが、それにしてもこの道の駅1軒で使う量にしてはかなりの量ですし、何よりも通常月間30~40㎏程度の使用量がいきなり10倍というようになるには余程の訳がありそうに思います。工場側からすれば纏まった数量を予めお知らせ頂けることで準備が出来るので非常に有難く思っております。


牡蠣は芳しくない

「ホームページを見た」とのことで香港の業者さん(日本人)から問い合わせがありその続報です。生食用の冷凍殻付き牡蠣を探しているようでサイズも100~120gに限定しているようです。早速取引先の牡蠣を扱う業者さんに問い合わせてみると「今年の牡蠣は小さいし、収穫量も全く例年とは比較にならないほ少ない。100up自体が全く無理で、出せたとしても『サイズ指定なし』しか対応できないよ」と言われてしまいました。そんな内容を香港に伝えると「サイズ毎で出せる分だけでも良いので数量と価格を提示して欲しい」と懇願して来ました。それを産地に伝えると「サイズ指定なしも在庫分が終了すれば今年はこれで終わり。後は来年になる」と再度ダメ押しをされました。ここが水産物の難しいところです。買い手側としては希望のサイズと数量はある程度高値になったとしても手に入るものだと考えがちです。しかし究極まで行くと「ないものはどう足掻(あが)いてもない」となるのがこの業界です。売り手側からすれば、どんなに高値で買ってくれる新規客よりも長年苦楽を共にして来た信頼ある既存客を大事にし、優先するのは当然です。「今年はサイズ指定なしで繋いでおいて顧客になり来年しっかり取引をしたらどうか」とアドバイスをしました。


香港から

見慣れない番号が携帯電話のディスプレイに表示されました。ちょうど運転中で音声が上手く聞き取れなかったので「掛け直します」というと「香港からなのでこちらから10分後にもう一度お掛けします」との返答でした。事務所に戻ると間もなく「香港の会社です。三宝水産のホームページを見て電話しました。掲載されている商品についてお尋ねしたいのですが、大丈夫ですか」と切り出して来てどうやらメインは「冷凍殻付き牡蠣」を探しているようでした。牡蠣の収穫があまり芳しくなく国内産も海外産もかなり価格が変動し、供給も安定していないことから通常の仕入元だけでは不安がるということでちょうど三宝水産のホームページが目に留まったようです。そのほか鮮魚や活の媛スマなどにも興味を持っているようで今後メール交換しながら交流して行こうと思っています。実は、本日からホームページを刷新したばかりの端境期になり、おそらく古い方のホームページを見ての問い合わせだったと思います。もし新しい方のものだったら冷凍殻付き牡蠣は掲載されていませんでした。間一髪でした。


母は元気

大正14年生まれで98歳になる母は故郷で元気に暮らしているようです。コロナ禍いがあってなかなか会いには行けませんでしたが時々電話すると「元気だよ」と返してくれます。春先に風邪をこじらせて「もう駄目だ、いつ逝くか分からないがもういつ逝ってもいい」などと弱音を吐いたこともありましたが、それも1ヶ月余りで全快し元気を取り戻したようです。デイサービスに日帰りだったり宿泊だったりを重ねながらいつものルーティーンを繰り返しているとのことでした。貧しい農家で育ち、父親が早くに亡くなり、兄二人が出征したことから小学校もまともに出たかどうかわからないほど母親を助け3人の妹の世話をして来ました。そんな母の楽しみが「読書」のようです。難しい漢字があると辞書を引きながらメモしているとか。「そんなに勉強してどんな将来に備えているの?」と聞きながら電話口で大笑いしました。元気でいてくれさえすることが何よりの感謝です。遠くに住む母を思いながら今朝6年近く同居していた娘が転勤で他県へ行きました。無性に寂しさが込み上げて来ました。


水害の思い出

梅雨明けが待ち遠しい。北部九州を中心に広い範囲で線状降水帯が発生して多くの被害を出していて被災者の皆様にお見舞い申し上げます。毎年のように列島のどこかでこの線状降水帯という名前が聞かれるようになって久しいのですが、その度に河川が氾濫し、土砂崩れが起こり、床上浸水し、車両が流され、その自然の猛威に為す術がない人間の無力さを痛感するばかりです。遠い昔、中学3年生だった夏に我が故郷も大水害に襲われた経験を今でも忘れることが出来ません。あっという間に近くを流れる河川の堤防が決壊して濁流が一気に50軒余りの集落を襲いました。見る見るうちに水位が上昇し、部屋の畳がプカプカ浮き始めました。気が付いた時にはもう胸のあたりまで水かさが増していました。家具などは放置状態で家族全員で2階に上がるのが精一杯でした。翌朝、村の消防団の人たちが舟に乗って安否を尋ねて来ましたが、恐ろしさの余り一睡も出来ませんでした。2度と味わいたくない経験でしたが、そんな自然災害が日本のどこかで起こっていると思うと本当に居た堪れなくなります。


メルマガ

インフォマートの「商談」を活用し1ヶ月が過ぎました。6月30日に初めて「メルマガ」なるものを作成して発信してみました。とにかくやってみないことには始まらないということで「叩き台」として文章を作り、どうせなら全国に発信してみることにしました。発送件数は約8,000件でした。1%でも80件の問い合わせは来るだろうと高望みをしていました。ところが開封率が一向に上がりません。つまり「誰も見ていない」ということです。1週間が過ぎ、間もなく2週間を迎えようとしていますが現在の開封数が約700件(8.5%)です。頭を抱えて「どうしよう」と考え込んでいるところへメールが入りました。宮崎県のお寿司屋さんから「(即決)まぐろまん本マグロ天身」の有償サンプル依頼が舞い込んで来たのです。初めの1件です。「千里の道も一歩から」の如く、この1件でまたやる気と勇気が湧いてきました。注文者のコメントでは「今回、フーズインフォマートに参加し、全国の情報の中から、更に良い取引先を見つけたいと考えております。」とありました。素晴らしい出会いになることを期待しております。


サンプル出荷

展示会が終了するとサンプル出荷が始まり、それが営業のきっかけとなり、最終的に成約に結ぶようにするのが役目です。「サンプルを送ってください」という依頼が本当に多い中で、果たしてサンプルを送りそれだけで判断されるとなかなか成約に繋がらないのも現実です。「先方はとにかく忙しい方なのでサンプルを送るだけにして下さい。サンプルを見て良ければ使うと言っていますので」とまた依頼が舞い込んで来ました。住所を見れば、この事務所から車で僅か15分圏内の飲食店です。「郵送も可能ですが、近いので持参しても良いですか」と担当者に確認すると「居ないかも知れませんが届けてください」と承諾を受けました。おそらく留守を想定して「まぐろまん取扱説明書」を急遽作成して一緒に持ち込むことにしました。案の定飲食店の責任者の方は留守でしたが、店員さんにサンプルを冷凍庫に保管して頂きながら「取扱説明書」を渡して「この通りにご使用を試して見て下さい」とお願いして戻りました。営業はとにかく対面だと固く信じていますのでまずは足を運んで「会う」ことから始めるように努めています。


麻薬(?)のよう

「大阪駅前にある高級ホテルのステーキ専門店にまぐろまんを紹介して欲しい」という依頼が入り、商社部長と同行営業に行って来ました。「えっ!ステーキ専門店へ?」と思わず叫んでしまいました。待ち合わせをして訪ねてみると案の定高級感溢れるお店でした。程なくして料理長が出て来られて商談が始まりました。「本部からは魚介類は使わないように」との方針は出ているようですが「どうしても箸休めには海鮮を入れたくて来て貰いました」とのことでした。マグロは前職の時に使っていたが変色などでかなり厳しい思いをしたと話してくれました。早速サンプルを見せて解凍して貰いました。思わず「感動してしまいました」と言うほど鮮やかな赤色のマグロが現れ、試食して見ると「マグロ独特の臭みが全くなく、本当に美味しい」との評価でした。数量的には多くはないかも知れないが使って見たいということと、ユッケと併用しながら「食べ比べ」として出しても面白いかも知れないとのことでした。誰かが「まぐろまんは麻薬だ」と表現した人がいます。「一度使うともう止められなくなってしまう」というのを思い出してしまいました。