洪水、再び

線状降水帯が新潟県下越地方に掛り、地元では「記録的短時間大雨警報」が発令されたとのニュースが流れ、心配になって田舎に電話してみました。案の定昨夜からの大雨で50軒の集落の住民全員に「避難命令」が出て近くの公民館で一夜を過ごしたということでした。昭和42年の大水害を思い起こされるような濁流が上流から流れ込んでいて、現在も膝上ほどまで流れ込んでいるようでした。専業稲作農家の老兄に「稲は大丈夫か」と尋ねると「もう駄目よ。全滅だね。」との返答で唖然としてしまいました。「穂は出ているがまだ実が入っていない上に、この水害で穂の方に病気が発生して間違いなく全滅する、稲刈りの必要が無くなる分だけ楽さね。」高卒以来、80歳近くになるまで稲作一筋に生きて来た老兄だけに「この辺が潮時だ」とばかりにサバサバした声で話していました。42年当時は8月末だったので実が入っていたから稲は刈れたが、今回は早すぎて実が付いていないのでどうにもならないということでした。補償はあるのかと尋ねると「7割か8割の保険だけさ」とのこと。埼玉熊谷市近辺に在住する次兄とは「とにかく見舞いに駆け付けたい」と話し合っていますが、彼はまた熱中症地域のど真ん中に住んでいるし、妹は石巻にいるので何か『災害兄妹』みたいな一族です。かつての床上浸水のようなことが無いことと命の危険にだけは晒されないようにと祈るばかりです。