産地偽装事件

21tの漁獲量に対して販売数量が2,500tということで、熊本県産のアサリが偽装であるということが発覚した事件に大きな衝撃を受けています。水産業界では以前から噂になっていたことも知っていました。「中国から輸入したアサリを国産として販売できるのは『中国での畜養期間よりも輸入して国内で畜養する期間の方が長ければ国内産と表示できる』ということが認められているから」ということで公然の事実だったと記憶していました。結局この認められている仕組みを逆手に取り、国内畜養期間が短いにも関わらず「国内産(熊本県産)」と表示して消費者を騙したことが大きな問題になったものと思われます。こんなことで水産業界全体、食品業界全体の信頼を失墜させるとは言語道断です。一部の集団行動がどれだけ多くの人々に迷惑をかけているのか、いつまで経っても後を絶たない本当に悔しい事件です。さて我が身を振り返り「まぐろまん」はというと、キハダやバチは「台湾産」と産地表示がされています。実際に漁獲するのは太平洋地域ですが、漁獲する船籍によって産地表示をする仕組みになっています。現在の原料はほぼ台湾船籍の漁船が漁獲することから「台湾産」になっていますが、仮に国内の漁船が獲って来れば「国産」になります。これも考えれば可笑しな話ですがそういう決まりになっています。食品を取り扱う者の一人として反省し、二度と起こさない覚悟で再発防止に努め、全力で信頼回復に努めていきたいと思います。