「今日の午後2時ころに届くはずのまぐろまんがまだ来ていない」と帳合の問屋担当者から電話を受けたのが午後5時ころでした。早速工場に問い合わせてみれば「確かに昨日出荷しています」との返事でした。それをそのまま伝えるだけではなく、もう一つ確認する方法があります。宅配便の伝票にある12桁の数字です。この数字をgoogleの検索窓口に入力すると荷物の配達状況が一目瞭然で出てきます。月に何度か同じような問い合わせがあり、その度に同じ作業をして確認します。今日の荷物も「14:55配達完了」となっていて確認コードまで付いているので完璧に配達済みであり、誰かが受け取っていてその情報が共有されていないことが判明します。そのことを付け加えて問屋担当者に連絡を入れると「ありがとうございます」との返答でした。まぐろまんの最終使命は「出荷まで」ですが、お客様からすれば「着荷まで」と思われているはずです。輸送に関しては宅配便業者や運送便業者の責任ですが、追跡システムのお陰でお互いの信頼関係の助けになっていることは間違いありません。先週からの災害的な大雨に見舞われている日本列島を走り回り、時間通りに運送してもらえる業者の方々にはいつもいつも感謝しています。
最近の懸念事項
①コロナ禍が深刻 全国的に蔓延拡大
②災害級の大雨続き 九州はじめ各地で避難警報
③アフガンでタリバンが政権奪還
8月15日終戦記念日翌日に流れた③のニュースに大きな胸騒ぎが走りました。20年間の米軍の後押しがなくなりあっという間の政権崩壊とタリバンの再台頭には大きな衝撃を覚えました。国外に脱出を図ろうとして飛び立つ飛行機から振り落とされ何人も死亡するという状況が現実的にどのようなことなのか想像を絶する事態だと思われます。更にタリバンが政権を取った後の国内の不安定と国民の焦燥感は計り知れないものがあると思われます。2月にミャンマーに政変があり今またアフガンでも不安定政権が立とうとしています。流出する難民に対して他国はそれぞれの事情を優先するあまり決して甘受できるとは思えません。世界はいつになったら真の平和を迎えることが出来るのでしょうか。遠い国の話とは言え「私たちに出来ることは何だろうか」と考えさせられ、その出来ることを積み重ねていきたいと思っています。
大手寿司チェーンから
マグロが相当不足しています。有名大手寿司チェーン(宅配専門)の担当者から「毎月10トンほど使用したいので見積もりが欲しい」と言ってきました。普段はほとんど掛かって来ない所からの問い合わせはいろいろな意味で要注意です。だいたい決まった問屋から決まった種類の魚を決まった量だけ納品するという話がついているのがこの業界の暗黙の了解です。そのルートから取れないということは何か異変があったはずです。問屋との関係が何らかの原因で悪くなり取れなくなった、魚の供給量が予定通り入らなくなった、魚そのものが獲れなくなったなど様々な原因を考えながら対応する必要があります。毎月10トンのマグロを供給するということは決して半端な数量ではありません。それをいきなりあまり取引のないところまで問い合わせしてくる背景にはかなり「ヤバい」事態が想定されます。お盆前ということもあり一先ず保留にしました。考えられることとしては「マグロが獲れずに価格が高騰していること」があげられると思います。前にも述べたかも知れませんが「台湾、中国、韓国等が価格高騰を狙って買い占めに入っている」ことが原因かと思います。コロナ禍の影響は様々ですが水産系も大きな打撃を受けていて早急な解決策を願うばかりですが、今日全国感染者数が初の2万人越えで、出口が全く見えません。
恐怖体験「水害」
季節感のない夏、本来なら梅雨が明けて真夏真っ盛りのはずなのに今日は終日大雨が続きました。九州地方では線状降水帯の影響から猛烈な大雨に襲われほぼ九州全土で警報が出され、ニュースでは川が氾濫する様子が写し出されています。かつて1967年(昭和42年)8月28日故郷の一級河川の堤防が決してその氾濫した水が一気に私の住む56軒の小さな部落を飲み込んでしまいました(8.28水害)。濁流は玄関から入ると同時に一気に大人の胸まで達しました。浮き上がる畳を見ながら2階に避難した恐怖の記憶が水害ニュースの度に思い起こされます。小さな船で救援物資を届けてくれる消防団員に助けられながら。水が引いた後は残った泥と悪臭に悩まされ数か月間も格闘した経験は生涯頭から消え去ることはありません。かつては何年かに一度あるか無いかの水害が、今は毎年のように、しかも全国どこにでも押し寄せる恐怖の災害です。常に身の安全を守る準備だけはしておきたいものです。
間もなくお盆
広島原爆投下の日(6日)があり、長崎原爆投下の日(9日)があり、夏の甲子園が開幕すると間もなくお盆がやってきます。水産に携わる者にとっては例年なら年末年始、GW(ゴールデンウィーク)に並んで年間で一番忙しい時期ですがコロナ禍で一変してしまいました。それでも我が社は14日~16日をお盆休暇としました。2005年8月に88歳で逝った父のお墓参りもしたいのですがそれも叶いませんので遠くの空からお祈りしたいと思います。父を送った後16年もの間残された母(96)も4世代家族の一員として大きな病気もせずに生きています。自分の母親が101歳まで生きた人なので長命の家系なのでしょう。先日ひ孫の写真を送ったところ「まだ届かないんだが」と返信メールが来ます。この世で覚えたメールを使えば、やがてあちらの世界に行ってもメールで交信出来ると笑い合っています。昔気質の父親に「メールを教えてやるんだ」と意気込む母を見ながら、お盆に里帰りした父はどんな顔をするのか、それに立ち会えない今年のお盆です。
媛スマ
愛媛県の愛南漁協が地元の漁師さんや愛媛大学と組んで養殖に成功したものが「媛スマ」です。2㎏程度の魚ですが、全身がトロでその味はマグロを凌ぐほど、一度食べたら病みつきになるほどの美味しさです。事業を成功させるまでにも紆余曲折を辿りましたがようやく成功に漕ぎつけた矢先にコロナが重なり量産体制が整ったのに売れず、また大きな壁にぶつかってしまいました。昨年春に養殖場を視察したご縁で「何とか少しでも販売の手助けをしたい」と考えてきました。そして今回大手ホテルでメニューに入れて頂き毎週出荷できるところまで来ました。当面の計画では数量はさほどでもありませんが担当者も「コロナが収束しお客様が戻ってくれば徐々に増えていくはずです」と励ましてくれていました。そして今日また広島の別の問屋さんから「媛スマとまぐろまんを提案したいのでサンプルを出して欲しい」との連絡を受けました。東京で60店舗を展開する居酒屋さんチェーンへの提案だということでした。どこもコロナの暗いニュースばかりですが、何とか少しでも前向きに進めていこうと思っていると向こうから「いいお話」が来るようです。
オマール海老も高騰
市場関係者によれば「通常のように魚が市場に集まってこない。そもそも漁師が漁に出て行っていない。獲っても売れる見通しもないし燃料代にもならないから出漁しない」というのが日本の今の現状ですが、全く同じ話をオマールの輸入業者から聞きました。原産地はカナダが主流のオマール海老ですが、昨年のコロナ以来獲って来ても全く売れない状態が続き、それで漁師たちは漁に出なくなってしまったというのです。ところがワクチン接種が進むと今度は反転してドンドン需要が高まるのに供給が追いついて行かない、絶対量が不足して今度は価格が暴騰し始めて、日本の輸入業者はその影響をモロに受けているそうです。安価で使いやすく洋食には欠かせない食材でしたが「これ以上高くなったらメニューから外すしかない」とホテルやレストランのシェフたちが嘆いているとのこと。今日大阪は1,310人の感染者を出し、過去最多数を更新するという現実に途方に暮れるばかりです。
8月5日、凄いぞ日本列島
8月5日の一日はこんな日でした。
① コロナの感染者数が過去最大で15,000人(東京5,000人超)を越える
② 五輪では過去最高数の43個獲得(リオの41個越え)尚更新中
③ 最多の238地点で猛暑日を記録
④ 台風が3つも(9号10号11号)接近中
一方では五輪の競技に歓喜しながら、もう一方でコロナ禍が益々深刻な状態になり、その上猛暑と台風が日本列島を襲うという正に前代未聞の一日でした。コロナは「第3次世界大戦」に匹敵するほどの災難で、既に感染者数は2億人を越えたと伝えられています。1年半以上経過したにも関わらず未だに人類は真の解決策を見出せていません。しかし英知を結集させ、心を一つにし、人種や国境の壁を越えることで必ず克服できると信じています。多くの犠牲を払いながらも未来には明るい希望をもたらす義務があるはずです。明日は8月6日、広島原爆投下の日、たくさんの尊い命を犠牲にしながらも平和への道を進み始めた日です。もう一度「人類がコロナを克服した証としての東京五輪」という原点を見つめ直してみたいと感じました。
五輪、もう一つの感動
連日の健闘で日本の金メダル数が過去最高の20個を獲得し更に更新を続けています。たまたまテレビの画面から飛び込んで来たのがスケートボード(パーク)という競技の決勝戦で、もしかしたら日本の女子で初めて金銀銅を独占するかもしれないということでつい見入ってしましました。結果は世界ランク1位の本命選手が1回目の挑戦で転倒し、それが響いて結局4位になり、英国選手(母は日本人)が3位に、そして堂々と金メダルと銀メダルを日本選手が獲得しました。それで普通の競技なら良かった良かったで終わるはずなのに、このスケボでは本当にビックリしました。何と4位になった日本選手を他の敗北した選手たちが抱きかかえて健闘を讃えているではないですか。こんな映像は初めてで本当に衝撃を受けました。しかも決勝に残った8名のうち5人が10代(2位の選手は12歳最年少)でした。平和の祭典とは言え、競技は国と国の戦いで時には一触即発に。そんな中で見たこのスケボの姿は「未来の五輪の形」のように強く強く感じました。困難極まりない地球環境ですが、10代のこれからの未来を担う子供たちから大きな希望を貰ったひと時でした。
緊急事態の影響が・・・
オリンピック開催中のコロナ感染者が首都圏だけではなく地方にも波及してその勢いが止まりません。大阪もとうとう昨日から「緊急事態宣言」が発令されました。中央卸売市場の場外の問屋さんを訪ねてみると「もう完全にお手上げ状態。それまでは何とか上がったり下がったりを繰り返しながらも徐々に上向き加減だったのが、昨日の緊急事態宣言で完全に止まってしまった。得意先のホテルも飲食店も軒並み閉鎖していて全く注文が来ない」と社長さんが嘆いていました。本来ならお盆前の活況で大忙しの市場なのに、完全にお手上げ状態になってしまいました。ホタテを専門に扱うメーカーさんも「全く売れませんわ」と低い声で電話が来ました。当然まぐろまんも影響は受けていますが、それでも注文が入るだけ本当に有難いと思っております。大口の得意先にお盆休みの日程をご案内したところ、休み前にも大口の注文を入れて頂きました。宣言下で厳しさは増すばかりですが、それでも一点の灯を信じて営業し続けるばかりです。